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犬の交配について(2005.7月号)

2007.08.31

 

交配してかわいい赤ちゃん犬を見てみたいと思う飼い主さんはとても多いですが、いつ交配すればいいのかペットショップ任せにしている方がほとんどではないでしょうか? 交配したけど赤ちゃんができなかった、ということがなるべく起きないように、今回は犬の繁殖生理について勉強してみましょう。

発情期の前には発情前期がある
一般に犬の「生理」と言われているものは実は「発情出血」であり、排卵の前に起こるので交配の大きな目印になります。それでは出血を見つけたらいつ交配するのがベストでしょうか? 実は出血の開始から排卵までの日数は、個体によって大きく異なります。排卵は発情期の3日目に起こりますが、出血の開始から発情期に入るまでの期間を「発情前期」といって、3~27日間と個体によって異なるため、出血の開始からの日数だけでは排卵の日を特定できないのです。また、初期の出血は量が少ないため「出血初日」を見逃しているケースも多くあります。ほとんどの犬の場合、発情前期は8±3日の間に終了して発情期に入ります。発情前期の間オスを寄せ付けなかったのに発情期に入ったとたんオスを許す(許容する)ようになります。

交配の合図は?
 発情期に入った犬の外陰部は大きく腫脹し、やわらかくなります。また出血も薄くなり量も多くなっています。またこの時、腰のあたりを軽くたたくと尻尾を横にずらしてお尻を少し持ち上げるような、いわゆる「許容姿勢」をとります。このような特徴が発情期の合図ではありますが、実は犬の発情期は10日前後もあり、そのうち受胎可能な交配期間は約7日間です。ただし受胎可能ではあっても、交配時期があまりよくないと受胎率がよくないケースもあります。

交配適期は?
 受胎率を上げるためにはいつが交配の適期なのでしょうか?先に述べたように発情期に入って約3日後(48~60時間後)に排卵が起こりますが、犬の場合排卵された卵子はまだ未成熟で、もう一回減数分裂しなければ受精可能にはなりません。卵子が減数分裂を終了し受精可能になるのは排卵後60時間が過ぎてからです。そして成熟した卵子が受精可能でいられる時間は48時間しかありません。この48時間こそが最も受胎率が高い交配適期となります。

交配適期を見つけるためには?
 結論から言いますと、出血が始まって8±3日で発情期に入り、発情期の3日目で排卵し、排卵後2日半で卵子が成熟、ここから48時間が交配適期であるということです。(図参照)例えば発情前期が8日間だったとすると、出血開始から13~15日目が交配適期ということになりますが、発情期の開始はオス犬でなければわからないでしょう。そこで我々獣医師の出番が回ってくるわけです。交配適期を見つけ出す方法としては2通りあります。1つはスメア(膣垢)検査です。スメア検査では膣から採取した細胞の性状を見て今がどのような時期にあるのかを診断する方法です。スメア検査だけではなくほかの兆候や飼い主さんの稟告などから総合的に判断をします。ただ、排卵を見つける検査ではないので80~90%程度の精度かと思われます。2つ目の方法はホルモン測定です。排卵後に急上昇するプロゲステロンという黄体ホルモンを測定することにより排卵が行われたかどうかを判定します。排卵後に交配すれば受胎率は上がります。ただし、複数回の検査が必要であることが多いです。

以上のように交配によい時期を探し出すお手伝いができます。でも、交配をする前にもう一度よく考えてください。赤ちゃんができた後には出産が待っています。出産は原則的に自宅出産であり、それなりのリスクも伴います。最近の流行犬種であるチワワやミニチュアダックスフンドなどはとても難産が多い犬種です。また、「一度子供を生ませたほうが犬の健康にいい」というのはあくまでも迷信ですので根拠はありません。ご不明な点は当院の獣医師にご相談くださいね。

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